カモノハシのトレードマークであるクチバシは、鳥類の硬い角質でできたクチバシとは構造が全く異なります。表面は柔らかくしなやかな革のような感触の皮膚で覆われており、無数の高感度センサーが張り巡らされています。
水中に潜って甲殻類や昆虫の幼虫などの獲物を探す際、カモノハシは目・耳・鼻の穴を完全に閉じた状態になります。視界ゼロ、聴覚も嗅覚も使えない泥水の中で獲物の位置をミリ単位で特定できるのは、クチバシに備わった「電気受容器(エレクトロレセプター)」と「機械受容器」のおかげです。
獲物が筋肉を動かす際に発生する微弱な生体電気シグナルと、水のわずかな揺らぎをクチバシで感知し、脳内で瞬時に立体的な位置関係をマッピングします。まさにレーダーのような第6感を駆使して暗闇の水中ハントを行っているのです。