政府の有識者会議や社会保障制度改革プロジェクトの場では、給与天引きに過度依存する現行財源の限界が度々指摘されている。単に年齢で区切るのではなく、個人の金融資産や収入に応じた負担を求める仕組みへの移行や、高額医療費制度の適正化など、制度を維持するための論点はすでに揃っている。
だが、現場での制度運用変更には多大な労力と摩擦が伴う。既存の権利や給付水準を守ろうとする勢力との合意形成が進まないまま、時間ばかりが経過している。「世代を超えた助け合い」という理念の裏で、ツケの支払いを将来世代へ先送りする構図を断ち切るには、制度設計の根本的な再構築が避けられない。