全員が70代後半を迎えた団塊の世代ですが、過去の同年代の高齢者と比較して身体的・精神的に極めて若々しいというポジティブな側面も見逃せません。平均寿命だけでなく「健康寿命」の延伸が進んでおり、75歳を過ぎても趣味や地域活動、シルバー人材センター等での就労を意欲的に続けるシニア層が数多く存在します。
デジタル機器の普及も進み、スマートフォンやSNSを自在に使いこなして情報収集やオンラインショッピングを楽しむ団塊世代は珍しくありません。行政や民間企業も、単なる「被介護者」として扱うのではなく、地域の支え手やコミュニティのリーダーとして彼らの経験と知見を生かす取り組みを加速させています。
その一方で、認知症患者の増加に伴う資産凍結問題や、親から子への資産移転・事業承継をいかに円滑に進めるかという「終活・相続」の法整備やサービス展開が過熱しています。団塊の世代が健やかに自分らしい晩年を全うできる地域包括ケアシステムの完成と、次世代への負担集中をどう是正していくかが、世界で最も高齢化が進む日本の未来を左右する決定的なテーマです。