朝起きて、今日が何月何日で、何曜日なのかがわからない。この「見当識障害」は、認知症の初期段階で頻繁に見られる症状だ。時間が曖昧になると、生活のリズムが崩れ、不安や焦燥感が募る。そこで力を発揮するのが、極限までシンプルにデザインされた日付表示だ。
「今日」の文字が大きく赤枠で囲まれているものや、一日が終わるごとにシートを破り捨てる日めくりタイプ。これらは単なるスケジュール管理ツールではない。当事者にとっての「現実世界とのアンカー(錨)」なのだ。曜日ごとに色分けされた視覚的工夫一つで、介護負担が劇的に軽減したという報告も少なくない。