ネット検索や知恵袋などでは、時に「綿矢りさは芥川賞のあと消えた?」「現在は引退したのか?」といった根拠のない憶測が見受けられます。しかし、これらの噂は事実と完全に乖離した誤解です。
芥川賞受賞直後、彼女は早稲田大学での学業に専念し、受賞に伴う過熱報道から意図的に距離を置くため、約3年半の執筆ブランクを設けました。この期間が「消えた」という誤った印象を一部に与えた要因ですが、復帰作となった『夢を与える』(2007年)以降は極めて意欲的かつ定期的な作品発表を続けています。
2012年には『かわいそうだね?』で大江健三郎賞を史上最年少の28歳で受賞。2026年には女性同士の濃密な愛憎を描いた『生のみ生のままで』で第26回島清恋愛文学賞を受賞するなど、文壇の主要な文学賞を総なめにしています。一発屋どころか、20代・30代・40代の各年代において常に最高峰の文学的成果を更新し続けているのが彼女の真の姿です。