太田光さんの生まれ育った実家は、埼玉県上福岡市(現・ふじみ野市)にありました。この実家は三郎氏自身が設計を手掛けたこだわりの邸宅で、当時の一般的な住宅街の中では際立って前衛的かつモダンな木造建築として知られていました。吹き抜けや光の採光を計算し尽くした空間は、三郎氏の美学そのものを具現化した場所でした。
太田家の家族構成は、父・三郎氏、母・瑠智恵(るちえ)さん、そして一人息子である光さんの3人家族です。多趣味だった三郎氏は書道の達人としても知られ、独特の力強くも流麗な筆致で書かれた作品が家中に飾られていました。言葉の響きや文字の美しさに強いこだわりを持っていた父の姿は、後に言葉を武器にする漫才師・作家となる息子の感性に決定的な影響を与えています。