かつてネット上を席巻した違法海賊版サイト「漫画raw」やその派生プラットフォームが、なぜ次々と閉鎖へ追い込まれているのか。その背景には、一般社団法人ABJやコンテンツ海外流通促進機構(CODA)、そして国際捜査機関による越境捜査網の劇的な進化が存在します。
かつての漫画バンク漫画村事件の経緯を振り返ると、漫画村元運営者に対する懲役3年・罰金1,000万円・追徴金約6,200万円の実刑判決に加え、大手出版社3社(KADOKAWA、集英社、小学館)が提起した民事訴訟で総額17億円超の損害賠償命令が下されました。さらに漫画バンク運営者に対しても中国現地当局との連携により刑事摘発が行われるなど、「海外サーバーを経由すれば逃げ切れる」という海賊版ビジネスの神話は完全に崩壊しています。
違法アップロード摘発ニュースが日常化する中、海賊版運営組織はドメインを転々と変える「ミラーサイト」や「クローンサイト」で延命を図っています。しかし、rawサイト後継クローンの現在は、単なる漫画の違法共有にとどまりません。CDN(コンテンツ配信ネットワーク)事業者の情報開示や裁判所の差止命令によってサイト寿命は数日から数週間単位へ短縮。追い詰められた悪質業者は、アクセスした瞬間に不正なスクリプトを実行させる「極めて悪質な搾取型トラップ」へと構造をシフトさせています。