婚約発表から1959(昭和34)年4月10日のご成婚の日に至るまで、日本全土は「ミッチー・ブーム」と呼ばれる未曾有の熱狂に包まれました。戦後復興を遂げつつあった日本社会において、民間から皇室へと羽ばたく美智子さまの姿は、明るい新時代のシンボルとして国民に受け止められたのです。
特にご成婚当日の祝賀パレードでは、皇居から東宮仮御所までの約8.8キロの沿道に推計53万人もの人々が詰めかけました。さらに、この歴史的瞬間を一目見ようと、一般家庭におけるテレビの普及スピードが驚異的な急上昇を記録。まさに日本の高度経済成長とメディア文化の発展を決定づける契機となりました。
美智子さまが身につけられたアイテムは、百貨店や婦人服店で飛ぶように売れました。清潔感のあるカチューシャや白の小ぶりな手袋、上品なネックラインを描くボレロなど、気品とモダンさを両立させた「ミッチースタイル」は、女性たちの憧れの的となり、戦後日本のファッション文化に劇的な革新をもたらしました。