くぅの歴史は、2代目おねえさんである「りなちゃん(斉藤里奈)」の軌跡と完全に重なっている。彼女が加入した1999年度から、番組を卒業した2003年3月までの丸4年間。それは『いないいないばあっ!』が実験的な toddler プログラムから、国民的な幼児教育インフラへと進化を遂げる激動の季節だった。
りなちゃんのフレッシュで優しいお姉さんぶりと、奔放に甘えるくぅの関係性は、まるで本物の姉弟のようだった。スタジオのセットの隅で、ふたりが小さなヒミツを共有するように笑い合う姿。台本通りではない、子ども番組特有の偶発的なあたたかいハプニングを、くぅのパペットは巧みに拾い上げていた。
だからこそ、2003年春の別れはあまりにも鮮烈だった。りなちゃんの卒業と同時に、くぅもまた番組のメインステージから姿を消した。あの日、画面の前でぽっかりと胸に穴が空いたような寂しさを味わった記憶は、当時の子どもたちの心に小さな楔(くさび)として残り続けた。