心理学的な観点からも興味深い現象が起きている。人間の脳は、写真を見るとき「現実の記録」として客観的に処理する傾向がある。一方でイラストを見たとき、脳はその余白やデフォルメされた部分に自らの記憶や理想の味覚体験を無意識に補完する。
つまり、描き込まれたグラフィックは見る側の「最高の空腹感」を刺激するキャンバスとなるわけだ。バンズの焦げ目やゴマの配置ひとつ取っても、イラストレーターの意図的な演出によって、最も食欲をそそる「理想の一品」へと昇華される。これが、写実的な写真には出せないイラスト特有のストロングポイントだ。