犬の鼠径部(後ろ足の付け根の内側)には、血管や神経、靭帯が通るための細い隙間(鼠径輪)が存在します。この隙間が何らかの理由で緩んで広がり、お腹の中にある脂肪や腸、子宮、膀胱などの臓器が皮下に飛び出してしまった状態が犬の鼠径部ヘルニアです。
犬の鼠径ヘルニアの初期症状として最も特徴的なのは、犬の股の付け根に現れるしこりや膨らみです。触ると柔らかく、指で優しく押し込むとお腹の中に戻ったり、仰向けに寝かせると一時的に凹んで消えたりします。この段階では無症状であることが多く、愛犬自身も普段通り食事を取り散歩を楽しむため、発見が遅れる原因となります。
ただし、見逃してはならない犬の鼠径ヘルニアの痛みサインも存在します。膨らみの周辺を触ろうとすると嫌がる、後ろ足をかばうように歩く、股の間をしきりに舐め続ける、抱き上げた際にキャンと鳴くといった仕草が見られたら、ヘルニア部分に炎症や圧迫が起きている証拠です。