ネット上の情報や民間療法で最も危険な誤解が、「足が痛くなったらとりあえず揉みほぐす」「お風呂で温めて血行を良くする」という一律の対処法です。これは純粋なこむら返りであれば筋肉の緊張緩和に有効ですが、肉離れを起こした患部に対して行うと致命的な悪化を招きます。
筋線維が断裂している状態で患部を揉むと、毛細血管の出血が加速し、筋肉内に血腫(血の塊)が形成されます。また、急性期(受傷直後から48時間)に患部を温めたり温感湿布を貼ったりすると、血管が拡張して炎症と内出血が爆発的に広がります。血腫が大きく固まってしまうと、筋肉にしこり(瘢痕組織)が残り、柔軟性が永久に損なわれる原因になります。
湿布薬の選択にも注意が必要です。冷感湿布はメントール成分によって「冷たく感じている」だけであり、物理的な深部冷却効果はありません。受傷直後は湿布に頼るのではなく、氷嚢を用いた直接冷却と弾性包帯による圧迫固定を最優先してください。