ガンターという名前そのものにも、作品世界の根源に関わる重厚なバックストーリーが秘められています。アイスキングがサイモン・ペトリコフだった記憶を失う前、太古の時代に存在した氷の魔法使い「エバーグリーン」の弟子だった恐竜の少年の名前もまた「ガンター」でした。
太古の弟子ガンターは、師匠エバーグリーンの承認と愛を渇望していました。エバーグリーンが創り出した「装着者の最も根源的な願いを叶える王冠(クラウン)」を弟子ガンターが被った際、彼の「師匠エバーグリーンのようになりたい」という強い執念がクラウンの初期プログラムとして焼き付けられてしまいます。
その後、何千年もの時を経てクラウンを手にしたサイモンは、狂気に蝕まれる過程でクラウンに刻まれた原初の記憶に引きずられ、身近な存在を無意識に「ガンター」と呼び続けました。宇宙怪獣の成れの果てであるペンギンと、狂気の魔法使いが「ガンター」という名の下で奇妙な擬似家族関係を結んでいた事実は、本作屈指の美しくも切ない因縁です。