物産館の裏手に回ると、地下深くから汲み上げられたバナジウム天然水を求めて、ひっきりなしに車が横付けされている。蛇口から勢いよく湧き出す名水は年中冷涼で、手で掬うと肌が引き締まるほど冷たい。地元住民が日々の料理用にと大きなボトルを満たす傍ら、遠方からの観光客がキャンプ用の飲料水として汲んでいく光景が定着している。
「この水で淹れた珈琲は格別なんです」と、東京から通う常連客は笑顔を見せる。自然の恵みを惜しみなく分かち合うこの水汲み場は、地域コミュニティと旅人が自然と交差する温かな交流の場としても機能している。