現存球団がすべて日本一を経験している一方で、プロ野球の歴史上「一度も日本一になれないまま消滅した」唯一の12球団制クラブが存在する。それが、大阪近鉄バファローズだ。
近鉄はパ・リーグを4度制覇した強豪だった。「赤ヘル軍団」広島東洋カープと死闘を繰り広げ、あの「江夏の21球」として語り継がれる1979年の日本シリーズ。さらに1980年、加藤哲郎投手の発言が波紋を呼んだ1989年の巨人戦、そして「いてまえ打線」が爆発した2001年。近鉄は4度日本シリーズに進出した。
だが、そのすべてで敗退。あと一歩のところで日本一の栄冠を逃し続けた。2004年秋の球団再編騒動によってオリックス・ブルーウェーブと統合され、55年の歴史に幕を閉じた時、ついに「日本一」の称号を得ることはできなかった。強烈な個性を放ち、ファンに愛された近鉄の未完のドラマは、今も野球ファンの心に深い傷痕と愛着を残している。