為替相場の変動は、現場のリアルな経済活動にダイレクトな影響を及ぼしています。当編集部が各分野で行った取材データから、その実態が浮き彫りになっています。
首都圏のスーパーマーケット店長は、「輸入品の仕入れ価格は高止まりしており、オリーブオイルやチーズ、コーヒー豆などの値上げは止まらない。消費者の節約志向は極限まで高まっている」と表情を曇らせます。食料自給率が低い日本において、1ドル=140円台後半というレートは、家計の実質購買力を着実に削り続けています。
一方で、都内高級ホテルや観光地の関係者からは、「訪日外国人客にとって、このレートは依然として極めて割安。1泊10万円以上の客室や高単価な伝統工芸品の売れ行きは極めて好調」という声が聞かれます。インバウンド消費が内需を支える最大のエンジンとして定着する一方、国内旅行を楽しむ日本人との消費格差という新たな社会現象も生まれています。
さらに、個人投資家のコミュニティでは、「一時的な円高局面でドル資産の評価額が下がる恐怖よりも、日本円の価値が長期的に目減りするリスクの方が怖い」として、円安局面であっても愚直に米国株や全世界株の積立投資を継続する層が圧倒的多数を占めています。