結論から明かすと、高橋留美子本人が水着等のグラビア撮影を行った事実は一切存在しません。ではなぜ、このような検索ワードが定着しているのでしょうか。その最大の要因は、1978年のデビュー直後から1980年代前半にかけて『週刊少年サンデー』などの少年誌・青年誌に掲載された「作家本人のポートレート写真企画」にあります。
当時、日本女子大学在学中に『勝手なやつら』で第2回小学館新人コミック大賞佳作を受賞し、鮮烈なデビューを飾った高橋留美子。昭和の少年誌編集部において、「若き女子大生漫画家」という存在は極めて稀有でセンセーショナルでした。当時の『週刊少年サンデー』誌面では、新連載の立ち上げ時や特集記事において、ベレー帽をかぶりペンを握る若き日の素顔写真や、仕事場で微笑むスナップがモノクロ・カラーの特設ページとして大々的に組まれていました。
昭和50年代の少年誌では、こうした作家紹介の特集ページが「グラビア企画」の枠組みでレイアウトされていたため、後年の読者やデジタルアーカイブを目にした層の間で「高橋留美子本人のグラビアが存在する」という言説へと変容していったのが事実に即した経緯です。