野菜売り場に並ぶブロッコリーを手に取ったとき、多くの人が緑鮮やかな花蕾(からい:房の部分)に目を奪われがちだ。しかし、植物生理学的な観点から見ると、根から吸い上げた水分と葉で光合成された栄養分が常に循環しているメインストリートこそが「茎」である。この部位には、花蕾を育てるためのショ糖やアミノ酸が濃縮されており、火を通すことで驚くほどの甘みを放つ。
栄養面においても、茎を切り捨てる選択はあまりにも惜しい。文部科学省の日本食品標準成分データや各種栄養分析によると、茎に含まれるビタミンCは加熱後も壊れにくい構造を持ち、レモン果汁に匹敵する含有量を誇る。さらに、整腸作用や血糖値の急上昇を抑える水溶性・不溶性食物繊維、体内の余分な塩分を排出するカリウムがバランスよく凝縮されている点も見逃せない。
こうしたブロッコリー茎栄養効果を実感するためには、外皮の頑丈なスジを的確に取り除き、中心の柔らかな半透明の組織だけを美味しく仕立てる技術が欠かせない。