一般国民が慢性的な物資不足とインフレに苦しむ一方、金家の私生活と資産は想像を絶する贅沢を極めています。国連安保理の制裁決議をあざ笑うかのように、一族専用の別荘地や地下バンカーには世界各国の一流品が集約されています。
元専属料理人として知られる藤本健二氏の手記や脱北した特権階級の元幹部たちの証言によれば、金一族の食卓には世界中から空輸された最高級食材が並びます。フランス産ワイン、イラン産キャビア、日本直送の高級魚などが日常的に消費され、元山(ウォンサン)のリゾート地には大型クルーザー、プライベートジェット、乗馬場、ウォータースライダーを備えた巨大宮殿が築かれています。公の場に登場する李雪主(リ・ソルジュ)夫人や金ジュエ氏が身につけているディオールのダウンジャケットやグッチのサングラスなど、1着数百万円に及ぶ海外ハイブランドの装飾品は、度々海外メディアの取材対象となっています。
これらの贅沢を支えているのが、朝鮮労働党の「39号室」と呼ばれる非合法外貨獲得機関です。偽造紙幣の製造、サイバー攻撃による暗号資産の強奪、海外労働者の派遣によるピンハネなどを通じて獲得された外貨は、年間数億ドルから数十億ドル規模にのぼると推定されており、一族の「統治資金」として海外の秘密口座に隠匿されています。