表参道の喧騒を抜け、根津美術館の正門をくぐると現れるのが、建築家・隈研吾氏の設計による象徴的な竹林アプローチ(回廊)です。竹垣と生きた青竹が延々と続く屋根付きの細長い通路は、都市から静寂の美の世界へと心を切り替える「結界」としての役割を果たしています。
SNS上では「東京屈指のインスタ映え回廊」として絶大な支持を集めており、直線美と自然素材が織りなす陰影を求めてカメラを構える人が絶えません。しかし、この場所は美術館を訪れるすべての人が通るメインストリートでもあります。
現地での観察調査によると、通路の真ん中で長時間のポーズ撮影を行ったり、混雑時にグループで横並びになって通路を塞いだりする行為が散見され、警備スタッフからの声掛けが行われる場面もあります。「歩行者の妨げにならないよう立ち止まらずに撮る」「無人の構図を狙うなら開館直後の時間枠を狙う」という最低限のエチケットが求められます。