親会社である日本たばこ産業株式会社(JT)が歩んできた多角化の道筋は、日本の企業史においても特異なポジションを占める。国内におけるたばこ需要の長期的シフトを見据え、収益の柱を増やすべく参入したのが食品製造業だった。専売公社時代から培われた強固な資金力と全国規模の流通ネットワークは、後発参入でありながらも市場で急速に存在感を高める原動力となった。
しかし、食品市場は甘くない。競合他社がひしめく中で勝ち残るため、独自ブランドの開発とM&Aを組み合わせた攻めの投資が展開された。異業種からの参入というハンディキャップを打ち消した根底には、徹底した品質管理体制とマーケティングへの巨額投資があった。この時代に築かれた基盤が、のちのグループ食品事業の骨格を作ることになる。