言葉自体はネットの産物であるにせよ、その母胎となったサイバイマン戦の死亡シーンは、ドラゴンボール史全体を通じても屈指のトラウマかつ名場面として知られています。
サイヤ人の戦士・ベジータとナッパが地球に襲来した際、先陣を切って土から生み出されたのが戦闘生物サイバイマンでした。ここで真っ先に名乗りを上げたのがヤムチャです。この行動の裏には、極めて尊い動機が存在していました。
当時のドラゴンボールのルールでは「神龍によって生き返ることができるのは一度きり」という制約がありました。すでにピッコロ大魔王編で一度命を落として生き返っていたクリリンに対し、ヤムチャはまだ一度も死んでいませんでした。ヤムチャは「ここらでいっちょオレが手本を見せてやるぜ」「クリリンはもう一度ドラゴンボールで生き返っている。もしものことがあったら大変だ」と語り、友を死の危険から遠ざけるために自ら進んで前線に立ったのです。
実際の立ち合いにおいて、ヤムチャは神様のもとで積んだ過酷な修行の成果を遺憾なく発揮しました。サイバイマンの猛攻を華麗にかわし、新かめはめ波で見事に吹き飛ばして戦闘不能に追い込みます。勝負は完全に決したかに見えました。
悲劇を招いたのは、その直後の「わずかな気の緩み」でした。「たいしたことなかったぜ」と仲間へ笑顔を向けた背後から、息を吹き返したサイバイマンが跳躍して背中にしがみつき、自爆を敢行したのです。もうもうと立ち込める爆煙が晴れたあとに残されたのは、地面に穿たれたクレーターの中心で、胎児のように体を丸めて横たわるヤムチャの変わり果てた姿でした。
前座の雑魚敵と目されていた相手に、圧倒的に勝利していながら奇襲の自爆一発で散るという劇的な落差。この衝撃的なコントラストこそが、読者の脳裏に「やられ役」としての強烈な残像を焼き付ける決定打となりました。