カラビナの素材選びは、「軽さ(可搬性)」と「耐摩耗性・耐久性」のトレードオフです。
現在のアウトドア市場で主流を占めるのは、7000番台超々ジュラルミンをはじめとするアルミニウム合金です。1個あたり40g〜80g前後と非常に軽量で、登攀時に数十個のギアをハーネスに携行しても体力を消耗させません。アルマイト加工によって鮮やかなカラーリングが施され、視認性やギアの識別にも役立っています。
これに対し、ステンレスや高張力炭素鋼(スチール)製のカラビナは、重量がアルミの2〜3倍(150g〜250g以上)に達します。しかし、金属疲労に対する耐性とワイヤーロープ・チェーンの摩擦による削れに対する強度はアルミを圧倒します。そのため、クライミングジムの固定トップロープ支点、消防レスキューの救助システム、樹木伐採(アーボリスト)、工事現場のフルハーネス安全帯ランヤードといった過酷な産業用途では、現在もスチール・ステンレス製が主役に君臨しています。