プリキュアシリーズにおいて、妖精といえば「主人公を導く愛らしい小動物」という立ち位置が長らく王道でした。その固定観念を根底から覆したのが、パルミエ王国の王子であるココとナッツの存在です。普段のふんわりとしたマスコット姿から、一転して長身のスタイリッシュな青年へと姿を変える演出は、当時のアニメ界に凄まじいインパクトを与えました。
この大胆なイケメン化が採用された背景には、メインターゲットである子どもたちだけでなく、作品ドラマに深みを持たせたいという制作陣の綿密な狙いがありました。単に敵と戦う魔法少女ものにとどまらず、異世界からの来訪者との心の通い合いや、成長痛を伴うコミュニケーションを描くための重要な装置として、人間形態のビジュアルが機能したのです。
さらに、ココ役に草尾毅、ナッツ役に入野自由という実力派声優陣を起用したことも爆発的な人気を後押ししました。草尾が演じるココの穏やかで包容力に満ちた声色と、入野が表現するナッツの不器用で影のある低音ボイスの対比は完璧な調和を見せ、キャラクターの魅力を何倍にも押し広げる原動力となりました。