本作を伝説たらしめている最大の要因は、参加した出演監督陣の強烈な個性にあります。日本のアダルトビデオ黎明期から独自のドキュメンタリー手法を確立してきたレジェンドたちが、一切の妥協なしでカメラの前に立ちました。
企画の首謀者であるカンパニー松尾監督は、セルフドキュメンタリーの手法を用いて自らの弱さや迷いすらもスクリーンに晒し出します。レースを牽引する立場でありながら、一人の男として葛藤する姿は作品の情緒的な支柱となりました。
一方、異様な存在感を放ったのがバクシーシ山下監督です。過激な作風で知られる山下監督ですが、本作で見せたのは徹底した泥臭さと、他者に対する不器用なまでの真摯さでした。極限状態で見せる剥き出しの眼光と人間味あふれる行動は、多くのファンの心を掴んで離しません。
さらに、独自の美学を貫くビーバップみのる監督をはじめ、林組や高橋組など、各陣営がそれぞれのプライドを懸けてレースに挑みました。互いにリスペクトを抱きつつも、絶対に負けられないというライバル心が火花を散らし、カメラマンやスタッフを巻き込んだ濃密な群像劇が展開されています。