チャーシューを取り出した後の鍋に残る液体をシンクに流すのは、極上の出汁をドブに捨てるようなものだ。豚のゼラチン質と香味成分が溶け込んだそのタレは、あらゆる家庭料理を覚醒させる万能のベース調味料になる。
最も劇的な変化を実感できるのが炒飯だ。仕上げの鍋肌に小さじ2杯回し入れるだけで、米粒ひとつひとつが芳醇な脂と香気でコーティングされ、中華料理店の強火調理にも劣らないパンチが生まれる。半熟に仕上げた茹で卵を一晩漬け込めば、黄身までねっとりと旨味が染み渡る極上煮卵の完成だ。炊き込みご飯の水加減に大さじ2杯加えれば、根菜の甘みを極限まで引き出す名脇役に早変わりする。