近年のテレビ制作現場では、出演者の声をクリアに届けるために極めて高性能な小型無指向性ピンマイク(ラベリアマイク)が導入されています。胸元や襟元に装着されるこのマイクは、出演者の微細な息遣いだけでなく、腹部や胸郭の動きに伴う衣類の擦れ音まで拾い上げてしまう高い集音力を持っています。
生放送の現場ではリアルタイムでノイズゲートやイコライザー処理を行っていますが、トークの合間の完全な無音状態ではマイクの感度が自動で引き上げられる設定になっていることも多く、結果として微細な物音が強調されて放送に乗ってしまう現象が発生します。
バラエティ番組の編集現場であればカットや効果音でカバーできるものの、一発勝負の生中継では音声を差し替えることができません。現場スタッフの苦心と機材の超高性能化が、図らずも数々のハプニング疑惑を生み出す温床になっているのです。