カヤックは活動するフィールドの環境に合わせて極端な進化を遂げています。代表的なのがシーカヤックとリバーカヤックの分化です。
シーカヤックは外洋のうねりや潮流に耐えるため、全長が4.5〜5.5メートル前後と長く設計されています。船底形状は直進性を高めるV字型に近く、長距離を効率よく巡航できるようラダー(舵)やスケグが装備されるケースが一般的です。沿岸ツーリングや無人島渡航など、旅の道具として機能します。
リバーカヤックは全長2メートル前後のコンパクトな艇体が多く、回転性と浮力を最優先に設計されています。急流の渦(エディ)を利用して方向転換したり、落ち込みを跳び越えたりするための丸みを帯びた形状が特徴です。
一方でカナディアンカヌーは、風や波が穏やかな本栖湖や中禅寺湖といったレイクエリア、あるいは緩流域の川下りで真価を発揮します。喫水線(水面下の深さ)が浅く、風を受けやすい側面があるため、強風が吹き荒れる海域での単独航行には向きませんが、水面を滑るような独特の静寂感と居住性は他の追随を許しません。