ネット上の情報空間には、マーケティング担当者が意図的に流布した都市伝説が定着しています。その代表例が「乳腺を発達させれば大人になっても胸は大きくなる」「ナイトブラとサプリを併用すれば相乗効果で育乳できる」という言説です。
女性の乳腺組織は、思春期以降は特定のホルモンレセプターの感受性が鈍化するため、外部から食品由来の成分を多少摂取した程度で乳腺細胞が新生することはありません。ナイトブラの本来の機能は「就寝時の横流れを防ぎ、形を整える」ことであり、サプリの成分をバストに定着させるような科学的機序は皆無です。
さらに見落とされがちなのが、低用量ピルとの飲み合わせです。ピルで精密にコントロールされている体内のホルモン動態に対し、イソフラボンやワイルドヤムなどのサプリを重ねて摂取すると、ピルの避妊効果が減弱したり、逆に血栓症のリスクを跳ね上げる危険性があります。相互作用の危険を軽視してはなりません。