話は2010年代のソウルにさかのぼる。アフリカTV(AfreecaTV)の個人配信者が、カメラの前で夕食を食べながらリスナーとチャットを交わしたのが全ての始まりだった。特別なロケも、豪華なタレントもいない。ただ1人の人間が大量の料理を美味そうに食べる。このきわめて原始的な光景が、驚くべき熱量を生み出した。
YouTubeやTikTokの波に乗ると、その勢いは爆発的に加速。「Mukbang」というローマ字表記は辞書に載るほどの国際語へと成長した。世界中のクリエイターがこぞってこのフォーマットを取り入れ、今や世界の食卓の風景をデジタル上で再定義する巨大ジャンルとなっている。