館山カントリークラブを初めて訪れたゴルファーが例外なく息をのむのが、クラブハウスを抜けた瞬間に広がるソテツやヤシの木、そして雄大な平砂浦(へいさうら)海岸のオーシャンビューです。「わかしお」「さざんか」「ゆうごう」の計27ホールで構成されるレイアウトは、全体としてフラットな地形が多く、一見すると初心者でものびのびとティショットを打てる開放的なリゾートコースに映ります。
ところが、この「穏やかな見た目」こそが最大の罠と言えます。コース難易度を語る上で避けて通れないのが、太平洋から吹きつける激しい海風と、強烈な芝目を持つ「高麗(コーライ)グリーン」の存在です。フェアウェイ自体は比較的フラットで広めにとられているものの、ひとたび海風が強まれば、普段のキャリーや持ち球の計算は音を立てて崩れ去ります。
グリーン面はアンジュレーション(起伏)に加え、海からの強い芝目が複雑に絡み合います。「見た目は下りなのに芝目が強くて全く転がらない」「順目に乗るとどこまでもオーバーする」という現象が日常茶飯事です。一般的なベントグリーンに慣れきった都市部のゴルファーが、繊細なタッチを失って3パットや4パットを乱発する光景は、館山カントリークラブにおける風物詩とも言える洗礼です。