世界的な観光名所である宮島(厳島神社)は、団体ツアーや修学旅行生で日中激しく混雑します。一人旅ならではの機動力を発揮するための鉄則は、「早朝アプローチ」と「潮汐(ちょうせき)時間の事前確認」です。宮島観光協会の潮汐表によると、満潮時には海に浮かぶ社殿の荘厳な姿が見られ、干潮時には大鳥居の足元まで歩いて近づくことができます。
朝8時台に宮島へ渡ると、日中の喧騒が嘘のように静まり返った参道を歩くことができ、大鳥居や廻廊の細部に宿る建築美をじっくりと観察できます。現地取材で見えてきたのは、多くの観光客が厳島神社の参拝と商店街の散策だけで引き返してしまうという実態です。しかし、ソロトラベラーに強く推奨したいのは、神社の裏手に広がる「大聖院(だいしょういん)」や「もみじ谷公園」へと続く山手ルートです。
大聖院は弘法大師空海が開いたとされる古刹で、境内に点在する五百羅漢像や摩尼車(まにぐるま)など、立ち止まって自分と対話できる静謐な空間が保たれています。団体客がほとんど流れてこないため、都会の喧騒から完全に切り離された時間を過ごすことが可能です。
また、広島市街地における穴場としては、比治山公園内に位置する「広島市現代美術館」が挙げられます。建築家・黒川紀章氏が手がけた独創的な空間の中で現代アートを鑑賞した後は、展望広場から広島の街並みと瀬戸内海を一望でき、思考をクリアにするのに最適なロケーションとなっています。