エンターテインメントの歴史において、モノマネは時にオリジナルに対するパロディとして機能するが、二人の関係は「楽曲の命を長永えさせる」という予想外の相乗効果をもたらした。若い世代や令和の音楽ファンにとって、コロッケのネタを通して『シンデレラ・ハネムーン』を知り、そこからオリジナル音源へとアクセスする流れが完全に定着したのだ。
2020年代後半の現在、デジタルプラットフォームで昭和ポップスが世界的な再評価を受ける中、岩崎宏美の卓越した歌唱パフォーマンスは国境を越えてリスナーを驚嘆させている。その入口に、コロッケの存在があったことは否定できない。かつて歌唱封印へと追い込んだモノマネが、巡り巡って名曲を時代を超越するスタンダードナンバーへと押し上げる原動力となったのである。