逆のパターンである「石油ファンヒーターや石油ストーブに軽油を入れる」行為も、人命に関わる危険を伴います。家庭用暖房器具は、灯油の気化特性と燃焼速度に合わせてバーナーや気化器が精密に設計されています。
ファンヒーターに軽油を入れる危険性として最も警戒すべきは、気化不良による不完全燃焼と異常加熱です。軽油は灯油よりも沸点が高く気化しにくいため、暖房機器の気化器内で完全にガス化せず、内部に大量のカーボン(煤)やタールとなって堆積します。
これにより点火不良や白煙・異臭が発生するだけでなく、有害な一酸化炭素(CO)の急激な発生を招き、中毒事故につながります。さらに、気化器からあふれ出た未燃焼ガスが異常着火して機器内部で炎が燃え広がり、住宅火災へ発展した事例も報告されています。暖房機器にはJIS規格に適合した「純粋な白灯油(JIS 1号灯油)」以外を使用してはなりません。