当時の現場スタッフや出演者の回顧録によると、『毎度おさわがせします』の撮影現場は、現在のドラマ制作現場とは比較にならないほどの緊張感と熱狂に包まれていたと伝えられています。
メインのロケ地となったのは、東京都杉並区や世田谷区、神奈川県川崎市などの閑静な住宅街および商店街でした。閑静な住宅街にロケバスが何台も横付けされ、過激なアクションや追いかけっこシーンが連日撮影される様子は、近隣住民の間でも大きな話題となりました。
特に、当時まだ中学生だった中山美穂にとっては、過密スケジュールと過激な台本に対する精神的なプレッシャーは計り知れないものがありました。自著や後年のインタビューにおいて、当初は戸惑いや恥ずかしさがあったものの、演出陣の妥協なき指導と共演者たちの支えによって「プロの表現者としてカメラの前に立つ覚悟」が芽生えたと語られています。
物語のクライマックスとなる最終回では、登場人物それぞれの思春期の葛藤と淡い恋心が疾走感あふれるタッチで描き出され、単なるお色気コメディにとどまらない「青春の通過儀礼」としての確かな結末を迎えました。この現場の徹底した熱量こそが、40年を経てもなお色褪せない名作たる所以です。