SNSや園芸愛好家のコミュニティでは、家庭菜園オクラの花活用を巡って毎年熱い議論が交わされています。その中心にあるのが、「花を食べてしまうと実がならなくなるのではないか」という収量に関する葛藤です。
植物生理学的な事実として、実オクラの花は自家受粉するため、花びらを摘み取る行為そのものが即座に結実を阻むわけではありません。しかし、家庭菜園の初心者が花びらと一緒に子房(根元のふくらみ)まで切り取ってしまうと、その節からオクラの実は一切収穫できなくなります。
都市近郊で市民農園を借りて10年以上栽培を続ける50代男性愛好家は、次のように語っています。
「最初の年は花が美味しいと聞いて何輪も摘んでしまい、夏のメインであるオクラの実の収穫量が激減して家族に怒られました。いまは『株が育ちすぎて実の収穫が追いつかない時期の間引き用』として、あるいは『シーズン終盤の秋口に咲く小さな花』だけを選んで摘むようにしています。そうすれば実の収穫を犠牲にせず、両方の味を完璧に楽しめます」
現場の実態調査から導き出された「失敗しない実オクラの花の摘み方」には、以下の明確なルールが存在します。
受粉が完了した正午以降、しぼみかけた花びらの先端だけを優しく引っ張ると、花びらだけがすっぽりと抜ける現象が起きます。中央の子房とガクを残して花びらのみを採取すれば、その後にしっかりと実が育ちます。朝のピンと張った美しい花を楽しみたい場合は、1株あたり1シーズンに2〜3輪だけと割り切って「特別なごちそう」として花ごと摘むのが、家庭菜園における賢明な妥協点と言えます。