両者の間に横たわる最大の隔たりは、業務の裁量権と処遇の差だ。総合職は基幹業務を担い、将来の幹部候補として幅広い部署を経験しながら昇進を目指す。これに対し、一般職は主に定型的・補助的な実務を担当し、特定の業務領域で円滑なオペレーションを支える役割を担ってきた。
この役割の違いは、ダイレクトに生涯年収の格差へと直結する。厚生労働省の統計や民間シンクタンクの試算を突き合わせると、大卒総合職の生涯賃金が2億5,000万円から3億円前後に達するケースが多いのに対し、一般職は1億5,000万円から1億8,000万円程度に留まることが珍しくない。実に1億円近い開きが生じる計算だ。昇給ペースや役職手当の有無、賞与の掛け率が複利のように効いてくる。
一方、総合職に課される最大の代償が「全国転勤」のリスクだ。本人の意思や家庭の事情とは無関係に下される異動命令は、ライフプランの設計を著しく難しくする。一般職は転居を伴う転勤がない分、生活の拠点を固定できる強みを持つが、その代償としてキャリアパスの上限が低く設定されやすい。自由と安定、報酬と引き換えにするリスクのバランスが、両者で根本から異なっている。