近年、欧米発のメガプロダクションにおけるアジア人描写は劇的な変化を遂げている。かつてのようなステレオタイプなエキゾチシズムは敬遠され、複雑な内面と普遍的な苦悩を抱えたリアルな人間像が求められている。
Apple TV+の超大作ドラマ『パチンコ』をはじめとする国際的プロジェクトで彼女が起用される理由はまさにそこにある。彼女が演じるキャラクターには、都合の良い記号性がない。過酷な歴史や環境に翻弄されながらも、したたかに、時にエゴイスティックに生きる女性像を、彼女は一切の媚びなしに演じきる。
現地のキャスティングディレクターたちが評価するのは、オーディションの場で監督の意図を瞬時に汲み取り、それを多層的なトーンで打ち返すクリエイティビティだ。彼女は単に「使われる俳優」ではなく、現場で作品を共に創り上げる「コラボレーター」として信頼を勝ち得ている。