映画史上の金字塔として知られる1951年の映画『陽のあたる場所』(ジョージ・スティーヴンス監督、原題:A Place in the Sun)は、セオドア・ドライサーの長編小説『アメリカの悲劇』を原作としています。モンゴメリー・クリフト演じる貧困層の青年ジョージ・イーストマンと、エリザベス・テイラー演じる上流階級の令嬢アンジェラ・ヴィッカースの許されぬ愛を描いた本作は、70年以上が経過した現在でも映画レビューサイトで平均4.0点以上の極めて高い評価を維持しています。
物語は、叔父の水着工場で平社員として働き始めたジョージが、職場の同僚であるアリス(シェリー・ウィンタース)と秘密の交際を重ねるところから始まります。しかし、社交界で眩いばかりの美貌と富を持つアンジェラと出会ったことで、ジョージの運命は暗転。アリスの予期せぬ妊娠により、上流階級への階段を登りかけたジョージは絶体絶命の窮地に追い詰められます。
衝撃的なのはそのラストシーンです。ジョージはアリスを湖に連れ出し、殺害を一瞬企てますが思いとどまります。しかしボートが転覆し、泳げないアリスは溺死。法廷では「殺意を持っていたこと」そのものが厳しく断罪され、ジョージは第一級殺人で死刑宣告を受けます。処刑直前、面会に訪れたアンジェラに対してジョージが見せる静謐な眼差しと、電気椅子へと歩む姿は、身分不相応な「陽のあたる場所」を追い求めた青年の残酷な末路として、観る者の倫理観を強烈に揺さぶり続けます。