1970年代初頭、革ジャンにリーゼントという衝撃的なスタイルで登場した「キャロル」。革新的なロックンロールを叩き込み、矢沢永吉とともに日本の邦楽ロックに革命を起こしたジョニー大倉の傍らには、若き日の大倉マリーの姿があった。
当時のバンドを取り巻く環境は熱狂と危険が背中合わせのカオスそのもの。若くしてステージに立ったジョニー大倉が抱えていた葛藤や孤立感を、誰よりも深く理解していたのがマリー夫人だった。世間が派手なロックスター像に熱狂する裏で、彼女は夫の繊細な素顔に寄り添い、家庭という安全な港を作り続けたのだ。