兵庫県姫路市に拠点を置くまねき食品株式会社の歴史は、日本の鉄道史そのものと重なります。山陽鉄道(現在のJR山陽本線)姫路駅が開業した1888年(明治21年)12月、構内営業の認可を得て創業。そして翌1889年(明治22年)、鉄道旅行の歴史を決定づける転換点を迎えました。それが幕の内駅弁発祥の歴史とされる、白飯とおかずを組み合わせた二段重ね重箱スタイルの駅弁販売です。
当時、駅弁といえば握り飯にたくあんを添えた程度の簡素なものが主流でした。そこに鯛の塩焼き、伊達巻、蒲鉾、煮物などを彩り豊かに詰め込み、旅路の楽しさを提供するという発想を持ち込んだのが同社です。この「常識にとらわれず、利用者の満足を最優先する」というDNAは、脈々と受け継がれてきました。
このフロンティア精神を現代においてさらに加速させているのが、まねき食品社長経歴において際立った手腕を発揮する6代目の竹田典高氏です。竹田社長は老舗の看板にあぐらをかくことなく、駅利用者の減少やライフスタイルの変化を見据えた事業構造改革を断行。駅ナカに依存しきっていた収益モデルから脱却し、大手コンビニや異業種メーカーとのアライアンス、さらには海外市場(台湾など)への進出を次々と成功させました。伝統を守ることと変化し続けることを同義と捉えるトップの姿勢が、同社を単なる地方の弁当屋から全国注目のフードイノベーターへと押し上げた原動力となっています。