レイヤー(Layer)とは英語で「層」や「重なり」を意味します。ヘアカットにおいては、髪を引き出して頭頂部(トップ)に近い毛を短く切り、襟足(アンダー)に向かうにつれて長く残すことで、髪全体に階段状の段差をつけるカット技法です。段差が生まれることで下層の髪が土台となり、上層の髪がふんわりと重なるため、毛先に自然な段差と軽やかな動きが生まれます。
サロンの現場やネット上で混同されやすい類似用語として「段カット」「シャギー」「ウルフカット」が存在します。これらはアプローチや目的が根本から異なります。
「段カット」はレイヤーカットの昔ながらの日本語呼称であり、本質的な構造は同じです。しかし、昭和から平成初期の段カットが直線的で明確な段差を強調していたのに対し、現在のレイヤーは毛流れに溶け込むよう繊細にグラデーションを混ぜ合わせた質感重視の設計になっています。一方、「シャギー」は段差をつける技法ではなく、毛先を刃物(レザーやすきバサミ)で細く削ぐ「質感調整の技法」です。そして「ウルフカット」は、レイヤー技法を応用してトップを極端に短く丸く残し、襟足を長く薄く残したメリハリの強い特定デザインを指します。